事故車と聞くと、ほとんどの人が「えっ、事故車なの。大丈夫かな・・・。」とまず最初に思う。しかし、車といえども人間と同様に1台1台違う。まず思込みを捨てることである。

始めは不安に襲われたりするが、ほとんどの場合が問題ないことが多い。取り扱っている業者によって色々あると思うが、よくチェックした上で吟味することである。従って購入前に、車の状況をじっくり耳を傾けて聴き、そして目を皿のようにして見ることである。

その上で、納車する段階になって細かく相手に嫌がれるくらいに徹底的に細部に亘って入念にチェックすることである。万が一、不備が見つかった場合でも直してもらうように丁寧に依頼することである。もちろん別途料金は発生しない。何れにせよ、良く聴きよく見ることに限る。また、安いからといって、逆に諸経費が高くついたりするのではないかという懸念が発生するかもしれないが、決してそんなことはないことが多い。

事故車は修理した場合でも、転売時に査定価格が下落するのではないかという不安が生まれる可能性がある。ごもっともである。というのも、事故車を買取業者やディーラーに買い取ってもらう場合、評価損もしくは格落ち損等により一般的に査定価格は下落する傾向にある。

事故車と同じ型式・年代式の車両と比較して見ることである。自分が逆の立場に立って購入する場面を想像してみよう。全く同じ型式・年代式であるとすれば、どう考えて査定するか? 通常であれば、事故車は出来るだけ避けて事故車でない車を選択するのが普通である。このことから需給の関連から事故経歴のない車の方が事故車よりもより高くなる傾向にあるといえる。

では、もう一度事故車はなぜ安いのか?について考えて整理してみる。

事故車が安い4つの理由

1)購入者が少なく需要と供給のバランスがとれていないため 

2)安全面で課題があるという情報が出回っているため 

3)購入者が事故車または修理履歴が見抜けないことが多いため 

4)買取業者が買い取る時点で価格を安くしているため のような要因が考えられる。普通に感覚では高額な金を払って買うので、出来ることならより安全つまりリスクを最小限抑えたいという願望が湧くはずである。需要と供給の面から考慮すると、買取業者も多く競争が激しく、買取業者における販売に当てられる事故車等の数(供給数)は購入する数(需要数)より多くなり、どうしても安くならざるを得ない。この点が一番の要因であると考えられる。他に安くなる要因に安全面でどうしてもリスクという爆弾を抱えているため、買取業者の方では買取段階で半額以下の価格で買い取る流通することがほとんどである。そのため、事故車でない車に比べて安くなってしまう傾向にある。

では、「修理歴車や事故車は果たしてみんな同じなの?」という面が気になる。つまり「それぞれの車に違いはないの?」という課題にぶつかってします。販売店で事故車または修理歴車という表示をみても、その詳細情報は見えない。どこの部分がどの程度損傷していて、何をどんな部品と交換したのか等について詳細に調査して始めて少しずつ見えてくることになる。ここで注意しないといけないのは、損傷の程度はまちまちでも、それぞれに差異があるということである。というのもほんのちょっとぶつけた車もあり、殆どグチャグチャになった車もある。このことを見抜くには自分自身で書籍等で勉強して、買取業者と納得するまでキャッチボールを行って、より精度の高い情報を得る努力をする必要がある。これは実に大変なことである。

では、修理歴車に乗るには問題ないの?と課題を考えてみる。世間一般には事故車は買ってもすぐに故障するとか思ったように走らいないといった情報が出回りがちであるが、一番大事なことは自分自身で試走したりして何回かトライアルを繰り返して状況を見ることである。不確かな情報に振り回されることなく、自分自身で試してみるに限る。

事故車の買取価格は下記のようにして決められるのが通常である。

中古車の相場 - 修復歴に起因する減額分 = 買い取ってもらおうとしている車の価格

となっているが、実際には買い叩かれることが多くさらに低くなることがある。やはりこんなところでも需給バランス原理が働くのである。